アレルギーと腸内環境の関係とは?今話題の「長沢オリゴ」を薬剤師が解説
アレルギーに悩む方が増えている今、「腸内フローラ」が注目されています。春先の花粉症、慢性的なアトピー性皮膚炎や気管支喘息など、アレルギー疾患に悩む方は年々増加傾向にあります。
そんな中、最近SNSなどでも話題になっているのが「腸内環境」とアレルギーの関係です。そして、その腸内環境を整えるアプローチとして注目されているのが「長沢オリゴ」です。
この記事では、薬剤師の視点から、長沢オリゴの働きや腸とアレルギーの意外な関係について、分かりやすく解説していきます。
長沢オリゴとは?開発者は東京大学名誉教授・小柳津 広志 氏
「長沢オリゴ」は、フラクトオリゴ糖とガラクトオリゴ糖という2種類の難消化性オリゴ糖を組み合わせたプレバイオティクス素材です。これらのオリゴ糖は、腸内の酪酸産生菌やビフィズス菌といった善玉菌の栄養源となり、腸内フローラのバランスを整える働きがあります。
「長沢オリゴ」は、東京大学名誉教授であり、腸内細菌研究の第一人者である小柳津 広志(おやいづ ひろし)教授の研究成果に基づいて開発されました。小柳津教授は、長年にわたり腸内細菌と疾患予防・健康維持の関連性について研究を続けており、医学と微生物学の知識を結びつけて、この製品が生まれました。
アレルギーと腸内細菌の深い関係
免疫の過剰反応=アレルギーの正体
アレルギーとは、花粉やダニ、食物など「本来は人体に無害なはずの物質(アレルゲン)」に対して、免疫システムが過剰に反応してしまう状態を指します。
この過剰反応は、免疫のバランスが崩れてしまった状態とも言えます。体を守るはずの免疫細胞が、花粉などに対して間違って攻撃を始め、くしゃみ、鼻水、皮膚のかゆみ、炎症といったつらい症状を引き起こしてしまうのです。
腸内細菌と免疫バランスの関係
近年の研究により、腸内環境、特に腸内細菌叢(腸内フローラ)が免疫の働きと密接に関連していることが分かってきました。ご存知でしたか? 腸には体内の免疫細胞の約70%が集中しているとされ、腸は「第二の免疫器官」とも呼ばれているんです。(Honda & Littman, Nature, 2016)。
腸内には、善玉菌(酪酸菌、ビフィズス菌、乳酸菌など)、悪玉菌、日和見菌が存在し、そのバランスが保たれていると、免疫の過剰な反応を抑え、過敏なアレルギー反応を防ぐ役割を果たしています。
腸内細菌の乱れが引き起こす免疫の“誤作動”
腸内環境が悪化すると(例えば善玉菌が減って悪玉菌が優勢になるなど)、腸のバリア機能が低下し、異物が腸から血液中に漏れ出す「リーキーガット症候群」のような状態が起こることがあります。
これにより、本来なら体にとって無害なはずの物質に免疫が過剰に反応してしまい、アレルギー反応や慢性炎症が起こりやすくなると言われています。
また、特定の腸内細菌(例:Faecalibacterium prausnitziiやBifidobacterium)が減少すると、炎症を抑える「制御性T細胞(Treg細胞)」の活性が低下することが知られており、これがアレルギーの発症や悪化に関与していると考えられています。
腸内細菌が炎症を抑えるメカニズム
腸内の善玉菌(酪酸菌、ビフィズス菌、乳酸菌など)は、オリゴ糖などの「エサ」を利用して短鎖脂肪酸(SCFA)という成分を作り出します。
その中でも「酪酸」は特に重要で、以下のような働きが知られています。
- 腸管バリア機能の強化(前述のリーキーガット予防にも繋がります)
- Treg細胞(制御性T細胞)誘導による免疫バランス調整
- 炎症性サイトカイン(IL-6, TNF-αなど)の抑制
このように、腸内細菌がつくる代謝物質が、全身の炎症や免疫反応に直接関与しているんですね。
オリゴ糖とは?善玉菌の“ごはん”になる栄養素
オリゴ糖は、胃や小腸で消化されずに大腸まで届き、腸内の善玉菌の「エサ」となります。
このように善玉菌を育てて腸内環境を整える働きを持つ成分を、「プレバイオティクス」と呼びます。
オリゴ糖にはイソマルトオリゴ糖、ガラクトースを含むオリゴ糖(ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノースなど)、フラクトオリゴ糖などいくつかの種類があります。その中でアレルギーに関係する酪酸菌を増やすのが「フラクトオリゴ糖」です。「ガラクトースを含むオリゴ糖」は酪酸菌も少し増やしますが、ビフィズス菌を多く増やします。イソマルトオリゴ糖は消化性で小腸で分解吸収されてしまうため、菌を増やす効果は他と比べると少ないと考えられます。しかも酪酸菌ではなくビフィズス菌のエサとなります。今、オリゴ糖を使用している方は、含まれているオリゴ糖の種類を確認して、どの菌に効果があるのか調べてみると良いと思います。
長沢オリゴの特徴|他のオリゴ糖とどう違う?
「長沢オリゴ」は、前述したように「フラクトオリゴ糖」と「ガラクトオリゴ糖」の2種類の難消化性オリゴ糖を組み合わせた商品です。そのため、以下のような特徴を持っています。
- 酪酸産生菌の活性化: 特に炎症抑制に重要な酪酸産生菌を活性化しやすいと報告されています。
- 臨床レベルでの研究と安全性: ヒトを対象にした介入研究でも、腸内フローラ改善・排便回数の増加・炎症マーカーの低下などの効果が確認されています。また、乳児から高齢者まで安心して使用可能な安全性の高さも特徴です。
まとめ|腸から整えて、アレルギーに強いカラダへ
アレルギー症状は、体の「外」の問題に見えて、実は「腸」という内側のバランスが鍵を握っています。長沢オリゴは、東京大学名誉教授の知見に基づいて開発された、科学的に信頼できるプレバイオティクス素材です。薬やサプリに頼りすぎず、腸から自然に整えたい方にはおすすめですよ。
アレルギーや炎症にお悩みの方は、まずは腸内環境から見直してみてはいかがでしょうか。
参考文献・出典
- Honda K, Littman DR. The microbiota in adaptive immune homeostasis and disease. Nature. 2016;535(7610):75–84.
- Furusawa Y, et al. Commensal microbe-derived butyrate induces the differentiation of colonic regulatory T cells. Nature. 2013;504(7480):446–450.
- Arrieta MC, et al. The intestinal microbiome in early life: health and disease. Front Immunol. 2014.
- Oyaizu H, et al. (小柳津 広志). Oyaizu Lab. 乳果オリゴ糖の研究報告.
- 小柳津広志.「腸内フローラと疾患予防」.日本微生物学会誌.2020
- 株式会社ニュートリサポート「長沢オリゴのよくあるご質問」 https://nutrient-support.co.jp/product/nagasawa-oligo-faq/